労働基準監督署の逮捕権とは

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2016年3月22日に、労働基準監督署が岐阜県笠松町米野で中国人技能実習生を労働基準法違反で働かせていた会社の社長と、技能実習受け入れ事務をしていたコンサルタントを逮捕するといった事案が発生しました。

労働基準法違反としては、最低賃金以下の給料と時間外手当の未払いが原因となりますが、それよりも労働基準監督署が異例の逮捕権を使用した事に対して驚きを感じます。

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労働基準監督署の逮捕権

意外と知られていませんが、実は労働基準監督署にも逮捕権が法的に認められています。

正確には、法の施行のためでしたら、帳簿や書類の提出から尋問のための出頭命令、そして法律違反の罪については司法警察官として職務をすることができます。

労働基準監督署と聞くと、関わりが少ない方でしたら、雇用者にとっての相談所だったり、労働基準法違反をしている会社を告発して指導する役割を担っているだけだと思っている方も多いと思います。確かに、そのような役割もありますし、実際に逮捕権を使用するような事案の方が少ないです。

そのためか、今回の労働基準監督署による逮捕は「異例」として取り沙汰されています。

異例から普通になるのか

今回の事件は中国人技能実習生も絡んでおり、外交の問題からも逮捕権が使用されたという見方をすることもできます。

たった1回の逮捕しただけで…と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回逮捕された事業主のように、労働基準法違反をして海外実習生を利用している企業に対する抑止にはなると思います。

労働基準監督署にも人手の問題がありますが、定期的に見せしめとして逮捕権をこれからも使用していくのでしたら、ある程度の抑止効果は継続して行くのではと思います。

個人的には、一般の大企業から中小企業まで目に余るものは、逮捕権を使用して欲しいと言うのが本音になります。

今回の逮捕が単なる例外的な対処だったと判断されると、結局は同じような労働基準法違反をする企業は増えて行くことになります。

ブラック企業に対する抑止力を強めるためにも、労働基準監督署には労働基準法違反をしている企業に対しては積極的に指導及び、必要な逮捕権を発揮して欲しい所です。

外国人技能実習制度とは

話は少し変わりますが、今回問題となった中国人技能実習生に関してですが、これは外国人技能実習制度を利用して会社が外国人を雇う制度になります。

外国人技能実習制度の目的は、海外への技術転移とされており、一種の国際貢献でもあります。

ただ、この外国人技能実習制度を悪用して、非常に安い賃金で単純労働をさせようと考える悪質な企業も存在しています。そして、今回労働基準監督署に逮捕された事業主が典型的な例になります。

この問題は、日本だけに周知されている問題でなく、国際的にも問題にされており、長年批判され続けています。

建前では国際貢献と謳っておきながら、実態は最低賃金以下の給料で奴隷にように外国人技能実習生を扱っている企業が存在するのですから、この批判も仕方がないと言えます。

外国人技能実習制度をしている会社はもちろん、労働基準法違反をしている会社をより摘発できる仕組み作りを積極的に進めて欲しい所です。

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